
遂にやってきました…
本当に来ちゃいました…。
もう、ずっとずっと前から「来たい!」と思いつつ、来られなかったお店に。
「日本で一番美味しいラーメン店」
と呼ばれて久しい真の実力店、
琴平荘
に!!
その名の通り、もともとは「旅館」でした。
琴平神社のふもとの宿だったから「琴平荘」という名前の宿でした。
現社長(店主)さんのおばあさまが始められたんだとか。
それが、今や「日本一」と称されるまでの「ラーメン店」になっているんです。

駐車場も、とてつもなく広いです。
広いんですが、超人気店なので、いつも満車状態なんだとか。
この日は、クリスマスとあって、また昼下がりとあって、満車ではありませんでした。
が、いつもは、とんでもないことになっているみたいです(お客さん談)。
場所は、、、
こんなところです。
地図では分かりませんでしたが、本当に果ての果て…
お店の先は、断崖絶壁…(この記事の最後で写真を出しますね)
立地的にも、かなり「秘境」だぞ、、、

お店の中に入ると、、、
まさに、、、
旅館だ、、、Σ(゚д゚lll)
どう考えても、小さな旅館の入り口だ、、、
すげー、、、

玄関の横には、こんな写真とトロフィーが、、、
お、ラーメン研究家の石山さんとかつて無敵のブログ王だったしらすさんだ…
(真ん中の女性は誰??(;´・ω・))
石山さんもここまで来たんですね~、はるばる。
さらに、、、

テレビで見たことがありそうな有名人(?)たちも、、、
芸能人はとても疎いので、誰かは分かりませんが、、、
こんな感じで、この場所にして、著名人がいっぱい来ているんです。
流石は、「日本一美味しいラーメンを出すお店」と称されるだけはあります。
で、、、
靴を脱いで、先に進むと、、、

「中華そば処」と書いたボードが、、、
もう、こんなシチュエーション、見たことがない。
場所も凄いし、入口も凄いし、さらに凄い、、、
で、右に曲がると、、、

おお!!!
ここで初めて「暖簾」が登場します!!
しかも、その先は、ふすま!?!?
この中に入っていいんですか??
もう、ドキドキが止まりません、、、(;´・ω・)
勇気を振り絞って、ふすまを開くと、、、

こんな張り紙が、、、
なになに??
「番号札をグループで1枚持って座席後方でお待ちください」
「席が空き次第、番号順にお呼びしますので、必ず若い番号からお取りください」
ですって!!

この「番号札」だな!!
これを一枚取って、座敷の後方で待っていればよいのか!
うん、わりと難しくない!!(;´・ω・)
番号の若い方から取っていけばいいんだな、、、と。

この日は、クリスマスとあって、覚悟していたほどではありませんでした。
いつもは、とんでもない待ち時間らしいんですが、
この日に限っては、それほど待ちませんでした、、、
とはいえ、、、

広い店内は、もうこんな感じで、、、
店内というか、お座敷!?…
旅館ですからね、、、(;´・ω・)
ここが「日本一美味しいラーメンを出すお店の店内」か、、、
凄いでしょ??
厨房は写真右手奥で、テーブル席のみ。

色紙の数も半端ないです!!
この場所で、というと大変失礼なのですが、、、
この場所で、この色紙の数は、驚きです。
それだけ、みんなこのお店に注目してきたということですから。
待っている間に、メニュー表も見られます。

こちらです!!
平日限定の味噌そばが気になるところですが、、、
まぁ、当然「売り切れ」でした(13時過ぎで)。
中華そばが700円で、
肉抜き中華が600円!
ん? 肉抜き中華って、なんか珍しいですね、、、
チャーシューメンでも、850円!!
いや~、どうしましょ、どうしましょ!?

で、座席に無事着けました\(^o^)/
遂に来れたんだ、、、夢にまでみた「琴平荘」…
泣きそうです(;;)

改めて、メニュー表を!!
基本的にスープは「一種類のみ」なので、あとはお好みで、、、と。
でも!!

各「あっさり」「こってり」が選べます、ですって!!
もー、、、
二種類じゃないですか!!
更に、濃口好みの人は卓上のタレを入れられる、と。
薄口好みの人には、個別で対応していただける、と。
これって、「神対応」じゃないですか!!
凄い、凄すぎる、、、(;;)
麺のかたさまで、調整してくれるんですね。。。神。。。

更に、味付玉子100円も!!
その他もろもろ、、、

そして、気になるのが、
ぶっかけ漁師めし(130円)
ですね。
もう、食べられるだけ食べちゃいましょう!
この日のお昼はここだけだし、、、
ということで、、、

ジャジャーン!!!
こちらが、「中華そば(こってり)」+「味付玉子」です!!
実は、「中華そば(あっさり)」も食べたんです(;´・ω・)
けれど、僕としたことか、写真を撮り忘れてしまいまして…
(食べた後で気づいたのですが、時すでに遅しで、、、(;;))
でも、ヴィジュアルはそこまで違わないので、もう「よし」とします。
油分が違いますね。油多め、少なめの違いです。
結論から言いますとね、、、
マニア的には「あっさり」を食べるべし!
油好きなら「こってり」を食べるべし!
ですね。
フリーク的には、絶対に「あっさり」です!!
もう、衝撃のマニアテイストでしたから!!
けど、普通の人やファット慣れした人は「こってり」の方が「無難」かも…。
ここのスープに基づけば、やはり「あっさり」がベスト。
ただ、結構クセがあるというか、個性的な味わいなので、注意が必要、というか。
通常のお店と違って、「こってり」の方が「一般的」というか「平坦な味わい」というか。
普通は「こってり」の方が毒々しいんですが、ここでは「あっさり」の方が強烈なんです。

zoom up!!!
あっさりの方は、ここの最大の特徴である「あごだし(トビウオ)」が炸裂します。
あごだしのラーメンはたま~にあるけれど、ここまで強烈なのはなかなかないぞ…。
あっさりなので、余計なものが入ってなくて、ダイレクトにあごだしが味わえます。
鰹節や煮干しよりも、ダシの旨みが強烈で、インパクトもあります。
「旨み」もさることながら、「香ばしさ」がとても強いというか、、、
どこか「焼いた感じの風味」が感られるというか。。。
一見、普通の中華そばって感じですが、これは「分かる人には分かる味」かな、と。
(できれば「油少なめ」で食べることをオススメします!スープの味がそのままに…)
…
で、こってりの方はというと、あごだしの風味がやや中和されていました。
それほど強烈なインパクトは出てません。
油のおかげで、甘みが増しちゃうんだろうな、、、。
なので、全体的なバランスとしては「こってり」の方がよいかもしれません。
ただ、「無難な味わい」になってしまっている気がしました。
油(脂)自体にも風味がありましたが、あっさりほどではなかったかな、と。
ただし、油分が多いので、ぐいぐいと食べられちゃいます。
「引き」が強いっていうか、「パンチ」がある、というか。
あっさりの方が、どちらかというと「玄人向け」って感じがしますね。
あっさりの方が「あごだし感」をより感じられると思います!

で、やはり琴平荘といえば、、、
こだわりにこだわった「自家製麺」でしょう\(^o^)/
山形・庄内地方といえば、「圧倒的に凄い麺」ですからね。
その庄内地方で圧倒的な人気を誇る琴平荘、
麺がダメなわけがありません。
もう、だって、粉からこだわっているんですもん、、、

これです、、、
「琴平荘専用粉」って書いてあります。
専用の粉まで作っちゃっているんですから、、、(;´・ω・)
故佐野実さんも、きっと笑顔で微笑んでいることでしょう。
言い方はあれですけど、「真のラーメンバカ」と言いたくなるほど…。
しかも、場所が場所だけに、本当に「凄い」というか「狂気」というか…。
でも、本当に、麺も抜群に美味しかったです。
酒田~鶴岡エリアの特徴であるプリプリっとしたもちもち麺。
弾力性があって、生き生きとした中太麺。220g。
もう、この麺だけがあればいいって思っちゃいましたもん。
この麺だけで、僕は生きていける…(大げさ、、、(;´・ω・))

トッピングも奇をてらわず、王道のトッピングでした。
メンマは歯ごたえ重視で、コリコリっとしていました。臭みは一切なし。
ネギは、まぁ、ネギですけど、、、(;´・ω・)
チャーシューは、「低温系か?」と思いきや、しっかりとしたチャーシューでした。
でも、柔らかくて、ソフトで、食べやすくて、お見事でした。
トロ豚チャーシューって感じ!?

味付玉子の中身は、完璧な黄金の煮玉子でした。
ちゃんとしっかり作っておられる!とカンゲキでした。
最近、煮玉子の扱いがよくないお店も多くて、、、
でも、「日本一」と称される琴平荘だけに、味玉も抜かりありませんでした。

ラーメンの丼に入れると、こんな感じで、、、
うん、見た目的には、王道の「中華そば」って感じですよね。
でも、スープの深み、旨み、独自性、インパクト、どれも突出していました。
が、食べ手の感性も問われるスープかな、とも思いました。
「あっさり系」のスープの深さが分かる人でないと、、、とも。

「あっさり」「こってり」を食べて、満足したのですが、、、
どうしても、こちらのラーメンも食べずにはいられなかった…。
僕が大好きな塩ラーメンの「中華そば塩」(750円)!
これを食べずに、ここを去るわけにはいかぬだろう、、、と。
麺も美味しいので、三杯目でもするっと行けるぞ!、と。

ジャジャーン!!!
こちらが「中華そば塩」です!!
上の黒いスープの「中華そば」と違って、クリアな白いスープ!!
こちらは、、、うーん、あごだしのスープなのかな??
スープのベースは変わらないにしても、印象はかなり違っています。
しょっぱさはそれほどでもないかな?…
魚介の旨みは強く感じるけど、醤油の中華そばとは違う、、、
貝類とかも入っているのかな?? ホタテ? あるいは鯛とか??
そんな感じの風味をほんのわずかに感じました(定かでありません…汗)
塩ダレに色々と工夫を凝らしているように思いました。
塩ダレって、作るのホント難しいから、、、(;´・ω・)

あごだし感は中華そば(あっさり)よりも弱い気がしますが、、、
これはこれで、凄い塩ラーメンだと思いました。
なんだろ、、、
千葉人的には、「海空土のあのらー麺のクオリティーで<塩>になった感じ」!?(;´・ω・)
中華そばがストレートの直球だとすると、こちらの塩は若干変化球!?
ただ、クセとかはないので、素朴で優しくてそしてパワフルな塩ラーメンでした。
あるいは、「がんこラーメン」の塩をより優しくした感じ??

チャーシューはやっぱりホロホロしてました。
つまんだだけで崩れそうなほど、、、
これ、いいなぁ、、、
メンマも、ホントしっかりしていて、コリコリしていて。
シンプルだけど、極限にまで極めつつある塩ラーメン。

麺は、やはり桁違いの美味しさでした。
限界に達するかというほどの多可水麺で、
もっちりふわふわ!!というと語弊があるかな。。。
でも、もっちりふわふわな麺でありました。
みんな、この麺にノックアウトさせられているのかもなぁ、、、(;´・ω・)
うん、塩は塩で、とっても深みのあるちょい捻った感じのラーメンでした。

そして、こちらもやっぱり食べずに帰るわけにはいかぬだろう、、、と。
ぶっかけ漁師めし。
ここのスープなら、ご飯に絶対に合うぞ!!、と。

ジャジャーン!!
スープのタレと一緒にパシャっと。
ご飯の上に、焼きのりと鰹節と糸青海苔の「ふりかけ」がかかっています。
このスープのタレを数滴かけて食べるのがいいんですって!!

シンプルだけど、とても美味しいミニ丼でした。
なんといっても、130円ですからね!!
余ったスープをぶっかけても美味しいです。
変に、凝ったチャーシュー丼を出すより潔くていいなぁと思いました。
なお、このふりかけはお店で購入することができます☆

さすがに、替え玉は食べられませんでしたが、、、(;´・ω・)
でも、この替え玉も、とっても人気なんだとか。
たしかに隣のテーブルのお客さんお二人も、替え玉を注文していました。
半玉からあるのがいいですね!!

いつかまた来た日には、こちらの「味噌そば」も食べてみたいな。。。
平日限定で20食のみ、か、、、
ハードル高いなぁ、、、
くー、、、味噌そばも美味しそうだなぁー(;;)
…
いや、また近いうちに必ずやこちらに来たいと思います。
今度は、できたら誰かの車で…(;´・ω・)
公共交通機関を使っていくのは、ちょっと無謀だった…
あ、でも、バスで来ることもできることが分かったので、、、
今度はバスを使って来てみようかな。。。
琴平荘から徒歩で4分くらいのところに「停留所」があったんです。
***
念願の琴平荘、、、
遂に味わうことができました。
「日本一のラーメン店」に偽りなし、でした。
美味しさに限定するんじゃなくて、「日本一凄いラーメン屋さん」がいい。
だって、何から何まで「凄い」んだもん。
場所も、雰囲気も、建物も、歴史も全部含めて「凄い」!
ラーメン的には、「玄人向けの超こだわりのラーメン」、かな。
フリークさんたちが大絶賛するのも、よーく分かりました。
一つ言えるのは、巷の人気店とちがって、「奇抜なことはしていない」ということ。
「あごだし」という特徴はあるけれど、それも特別「奇抜」ではない。
むしろ、極限にまでストイックにこだわり抜いた中華そば、ですね。
現地の人が言っていました。
「遠方のお客さんは、期待し過ぎているのか、『普通だ』って言って帰る人が多い」、と。
多分、普通の人には「普通」と感じる味なんだろう、とも思います。
一言で言えば「魚介醤油ラーメン」だから、、、。
でも、そこに様々なこだわりやテクニックが凝縮されているんです。
ただ、それは、普通のお客さんには分からなくてもいいわけで、、、。
***
ちなみに、今は旅館はやっていません。
旅館は、一昨年に「廃業」したそうです。
ラーメン屋さん一本になったきっかけは「2011年」だったそうです。
2011年に、旅行客がガクッと減り、そしてラーメンが注目されるようになり…
その後、徐々にラーメン屋にシフトしていき、2017年に完全移行した、と。
そういう流れだったそうです。

そんなこんなで、、、
この暖簾を改めて通り抜けて、、、
異次元の世界から現実の世界へ、、、(!?)
外は寒いぞ、、、(;´・ω・)

2018年12月のクリスマスの庄内の空はグレー。
このお店の先には、もう何もありません。
人も家もなんもありません。
この先を行くと、、、

そこは、まさに「冬の日本海」…。
断崖絶壁…
荒々しい波が激しく岩にぶつかっていました。
冬の日本海の海は、やはり本当に美しい…。
孤高で、孤独で、暗くて、暴力的で、そして、静寂で…
太平洋の海とは全然違う「世界」がそこにありました。

駅に向かっても、電車がないので、、、
バスで「あつみ温泉」に戻り、そこから特急で「鶴岡」に向かいました。
次は、僕にとって人生初の「鶴岡」です。
鶴岡のラーメンも食べてみたかったんだ…。
この夜、鶴岡で素敵なラーメン屋さんと出会うなんて、
琴平荘にいた時は、全然思ってもなかったな…。
「出会い」はいつでも突然なんです…。
人も、恋も、そして、ラーメンも…